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2020年戦力分析その11 ~中日ドラゴンズ~

0. はじめに

 沖縄のプロ野球チーム・琉球ブルーオーシャンズの試合が今シーズンから始まりますね。今日も元ヤクルトスワローズ村中恭兵投手の入団を発表するなど、静かに賑わいを見せています。私はNPBは球児たちが目指す最高の舞台であってほしいのでプロ野球参入チームを増やすことには反対なのですが、こうやって日本の隅々まで野球を観に行く文化が広がっていくことには良いことですし野球人口の低下緩和にも繋がると思うので、頑張ってほしいですね。さて今回は、戦力分析の11回目で中日ドラゴンズの記事になります。どうぞご一読を。

 

1. 2019年シーズンの総括

 昨年の中日ドラゴンズは、順位だけを見れば5位と良くありませんでした。しかし借金は2013年以降では最も少ない5であったこと、チーム再建を託された与田監督就任一年目であったことを鑑みると十分健闘したシーズンだったと言えるでしょう。では、二年目となる今年のシーズンへ向けて、どのような反省点があったかどうか振り返っていきましょう。

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 まず先発陣では、揃って170イニングを超える投球回を投げてくれた柳投手と大野投手が頑張ってくれました。特に前年度勝つことすらできなかった大野雄大投手が最優秀防御率を獲得、ノーヒットノーランも達成しエースとして復活したのは大きかったですね。念願である東京五輪の舞台へ向けて、今年も怪我無く勝利を積み重ねていってほしいです。一方で、10試合以上、50イニング以上を先発として投げた投手が41歳の山井投手を含めてたったの4人とローテが固定できませんでした。前年度オフに左肘の手術を受けた小笠原投手と開幕投手を務めるも5月に不整脈と診断され手術した笠原投手が離脱していたことが主な原因ですが、ローテ格の投手が二人も長期離脱してしまうと当然ながら台所事情が苦しくなってしまいますよね。その中で先発防御率が4点台を超えず、先発陣の消費イニングもリーグ2位だったのは良くやっていたと思います。山本拓実投手や梅津投手も良い結果を出してくれましたし、総合的に見ると今季に繋がる良いシーズンだったのではないでしょうか。

 救援陣では、ロドリゲス投手が最多ホールドを獲得したほか、岡田投手、福投手が50試合以上に登板と左投手が結果を残しました。防御率もリーグ2位と悪くなかったのですが、問題は力を発揮できなかった鈴木博志投手が立場を剥奪されて以降、岡田投手やR.マルティネス投手が暫定的に務めていたクローザーにピタリと当てはまる選手が居なかったことでしょうか。やはり勝利へ向けた定石が定まっていると違うと思うので、クローザーを任せられるようなハートの強い投手に出てきてほしいですね。

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 他球団との相性を見ていきましょう。昨年は得失点差で上回った対阪神戦と対ヤクルト戦でしか勝ち越せませんでした。負け越してしまったAクラスのチームでは、打線の中核となる選手を自由にさせてしまっています。巨人では坂本選手に8本塁打、17打点を、DeNAではロペス選手に7本塁打、21打点を献上しており、今季も脅威になるでしょう。一方で広島にはそれほど多くの打点を許した打者がいないにも関わらず、最多となる5つの借金を作っています。これは一点差のゲームで3勝8敗と僅差の試合を落としてしまっているからですが、こういった接戦の試合に負けないためにもしっかりとした勝利の方程式を作るということが大事になってきています。

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 次に野手陣は、チーム本塁打数がリーグ最下位、得点数もリーグ5位に終わったことは反省点ですが、チーム打率が1位(.263)と確実性の高い打者が揃っていました。打率十傑にも4人がランクインしていますし、二塁打三塁打の数はダントツのリーグトップと12球団一得点の入りにくいナゴヤドームでの野球が一つの完成形に近づいてきている感じがあります。あとは標準以上の選球眼のある平田選手、大島選手がもっと四球を選んで、長打力のある福田選手らがもっと本塁打でランナーを還してくれたら、自然と勝利は増えていくのではないでしょうか。ナゴヤドームにも早ければ2021年シーズンからテラス席が増設されるかもしれないということなので、今季は"広い"ナゴヤドーム野球の集大成となるところを見せてほしいですね。

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 得点貢献のグラフ(灰色の棒)を見ても、ランナーとして還ること、ランナーを還すことの両方でチームにプラスの貢献をしている選手ばかりです。あとは京田選手がもう少し出塁、生還してくれればほぼ休む間もない強竜打線の完成です。福田選手なんかは昨年後半の調子で一年間やれれば物凄い成績を残しそうですし、高橋周平選手も怪我で満足のいくシーズンは送れなかったので今シーズンは全員が顔を揃えている試合を増やしてほしいですね。

 

2. 2019-2020シーズンの選手の動き

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 昨オフ一番の話題は3球団競合の末、地元・中日の与田監督が当たりくじを引いたドラフト1位・石川昂弥選手の入団でしょうか。交渉権獲得時の自信溢れるコメントからも並の選手でないことが伝わってきましたし、春季キャンプでも早々と大器の片鱗を見せてくれています。新時代のドラゴンズの中心になっていく選手になりますし、一年目からどのような一軍生活を送るかにも要注目です。他のドラフト指名選手では、左腕のドラフト2位・橋本侑樹投手など即戦力選手を3人指名しており、今後数年に懸ける強い思いを感じるドラフトとなっています。

 外国人投手では昨年41ホールドのジョエリー・ロドリゲス投手がメジャー復帰のため退団となったため、代替選手として同じく左腕のルイス・ゴンサレス投手を獲得しています。メジャー登板が無く未知数ですが、奪三振率は高そうなので日本での成長に期待しましょう。

 

3. 2020年の戦力分析・オーダー予想

 それでは最後に今年の投手陣・野手陣の陣容を見ていきましょう。

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 先発陣は、早くも開幕投手を託された大野雄大投手が今年も中心になっていくでしょう。昨年は9勝止まりでしたが、エースが勝ちを積み重ねないことには優勝はないので、キャリアハイとなる12勝をノルマに頑張ってほしいです。ここに昨年ブレイクした柳投手、そしてプロ5年目となる小笠原投手が初の規定投球回を達成してくれれば、CS争い圏内に入っていけるでしょう。あとは昨年6先発ながらQS率の高かった梅津投手がフルシーズンでどういう成績を残してくれるかも楽しみですね。残りの枠はロメロ投手、プロ3年目の山本投手などで埋めていくことが予想されます。不整脈の手術から復帰後奮わなかった笠原投手も状態が心配ですし、他球団に比べ先発の駒が少ないようにも思うので、新しく入ったドラフト指名投手の活躍にも期待したいですね。

 救援陣は、前述したように勝ちパターンを確立することが重要になります。上記の表では昨季終盤に抑えだった岡田投手をクローザーとしていますが、実情は横一線というところでしょう。個人的には奪三振率が高くて若い藤嶋投手が一番適正があると思っているのですが、誰でも良いので守護神の風格ある選手が出てくると良いですね。救援陣の頭数自体は揃っていると思うので、あとは負担を分散する投手起用をしてほしいです。キューバ出身のR.マルティネス投手が居ない春先には新加入のゴンサレス投手が結果を出してくれると助かりますね。

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 野手陣の予想オーダーはいつものように3パターン考えています。まずパターンAは昨年9月の打順をもとにしたオーダーで、福田選手を三番に置いています。京田選手、福田選手が好調であれば、このオーダーが最も先制点を挙げやすいような気がします。

 もっと良さそうなのは、パターンBの二番・平田、三番・高橋周平、五番・福田とするオーダーでしょうか。こちらの方が上記の得点貢献のグラフでプラスだった選手がひとかたまりになり、昨年の西武打線のような六番まで隙がない打線が仕上がります。この打線を成立させるためにも、特に離脱の多い平田選手は怪我無くシーズンを全うできるよう体調管理を徹底してほしいですね。

 パターンCは昨年は不調と怪我のため49試合の出場に留まっていたアルモンテ選手をスタメンで起用するオーダーです。この場合はアルモンテ選手が左翼を、福田選手が三塁を守るため、二塁を争う高橋周平選手と阿部選手のどちらかがスタメン落ちするという少々シビアなスタメン争いが展開されることになります。とはいえ高打率が期待できるスイッチヒッターアルモンテ選手が入れば采配の選択肢も広がると思うので、何回かは試してほしいオーダーです。アルモンテ選手は怪我の状態も心配ですが、股関節の手術を回避し単年契約を結んだということなので、復活を期待したいですね。スタメンがダメでもベンチメンバーとして居てくれるだけで百人力なので、良い状態を維持してほしいです。

 いずれのオーダーでも、昨年、一昨年と打撃で奮わなかった京田選手がもっと打ってくれれば、中日打線はリーグトップレベルまでのし上がります。遊撃手として3シーズンを完遂している守備の経験値では誰にも負けていないと思いますが、今シーズンの打撃成績次第では昨年12本塁打を放った堂上直倫選手にスタメンを譲るという試合も増えていくかもしれません。しかし選手会長にもなりましたし、次世代のチームリーダーとして攻守に渡ってチームを引っ張ってほしい選手なので、首脳陣がスタメンを迷わないくらいの打撃成績を今季は期待したいですね。そうすれば、優勝も夢じゃないはずです。

 

4. 終わりに

 以上、今シーズンの中日ドラゴンズの戦力分析でした。与田監督も三年契約の二年目ですが、最低限CS争いという結果も求められるでしょう。「お前(自分)ができなきゃ誰も(優勝)できないぞ」という自己暗示をかけて、ペナントを制覇する意気込みで頑張ってほしいですね。

 次回はとうとう戦力分析の最後となる東京ヤクルトスワローズの記事になります。オープン戦開幕にどうにか間に合いそうですね。それではまた。

 

5. 参考サイト

NPB.jp 日本野球機構

プロ野球 - スポーツナビ

データで楽しむプロ野球

- nf3 - Baseball Data House Phase1.0 2019年度版

FanGraphs Baseball | Baseball Statistics and Analysis